Buccal Musculomucosal Flapにより再建した左下口唇有棘細胞癌の1例

Reconstruction of the lower lip with buccal musculomucosal flap after the resection of squamous cell carcinoma

80歳，男性。7カ月前より左下口唇に白色結節が出現し，徐々に拡大した。生検にて有棘細胞癌であったため，当院を紹介受診した。初診時，左下口唇に21×17mm大の厚い鱗屑を付しびらんを伴う局面がみられた。腫瘍は5mmの切除マージンをとり，一部口輪筋を含めて切除した。下口唇欠損部は左頰粘膜からのbuccal musculomucosal flapにより再建した。Buccal musculomucosal flapは安定した血流を有しており，脱落することが少ない。また一期的手術で広範囲の赤唇を再建でき，口唇の運動機能も温存できることから，悪性腫瘍手術後の口唇再建の有用な選択肢となりうる。