Japanese
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特集 付属器疾患
慢性副鼻腔炎と中咽頭扁平上皮癌を合併した黄色爪症候群の1例
Yellow nail syndrome associated with chronic sinusitis and oropharyngeal squamous cell carcinoma
米元 康祐
1
,
氏野 由理
1
,
西島 千博
1
,
稲沖 真
1
,
瀧口 哲也
2
,
澤田 光夫
3
Kosuke YONEMOTO
1
,
Yuri UJINO
1
,
Chihiro NISHIJIMA
1
,
Makoto INAOKI
1
,
Tetsuya TAKIGUCHI
2
,
Mitsuo SAWADA
3
1金沢医療センター,皮膚科(主任:稲沖 真部長)
2同,耳鼻咽喉科
3沢田皮ふ科医院,金沢市
キーワード:
黄色爪症候群
,
慢性副鼻腔炎
,
中咽頭扁平上皮癌
,
クラリスロマイシン
Keyword:
黄色爪症候群
,
慢性副鼻腔炎
,
中咽頭扁平上皮癌
,
クラリスロマイシン
pp.2031-2034
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002998
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69歳,男性。3カ月前から手足の爪が変色し肥厚してきた。時々痰の絡む咳が出た。初診時,手足のすべての爪は肥厚し黄色調であった。手や指に浮腫はあったが他部位に浮腫はみられなかった。肺病変はなかった。慢性副鼻腔炎があり,黄色爪症候群と診断した。クラリスロマイシンを4カ月間内服し,爪にはタカルシトール水和物軟膏を外用した。初診の6カ月後に左頸部リンパ節腫脹が生じ,精査により中咽頭扁平上皮癌と診断された。手術と放射線化学療法を受け,その後再発や転移はみられていない。初診の2年10カ月後には手足の爪の肥厚と黄色調が著しく改善した。黄色爪症候群に副鼻腔炎や悪性腫瘍が合併することがあり,検索すべきである。
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