Japanese
English
症例
12歳で発症し経過観察している多発性黄色肉芽腫の1例
Multiple xanthogranuloma in a 12-year-old boy with long-term followup
片山 博貴
1
,
東 直行
1
,
細根 勝
2
,
安齋 眞一
3
Hiroki KATAYAMA
1
,
Naoyuki HIGASHI
1
,
Masaru HOSONE
2
,
Shin-ichi ANSAI
3
1日本医科大学多摩永山病院,皮膚科
2同,病理部
3日本医科大学大学武蔵小杉病院,皮膚科,教授
キーワード:
若年型黄色肉芽腫
,
成人型黄色肉芽腫
,
多発
,
自然消退
,
組織球腫
Keyword:
若年型黄色肉芽腫
,
成人型黄色肉芽腫
,
多発
,
自然消退
,
組織球腫
pp.1709-1713
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002900
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12歳,男児。初診2週間前に左前腕,左肩,臀部に径5mm大ドーム状淡紅色の小結節が出現した。血液検査は異常なく,粘膜疹,眼症状や尿崩症はない。皮疹の一部は消退したが,新生,増加し全身に拡大した。初診1年後に皮膚生検を施行した。病理組織所見では異物型多核巨細胞を多数認め,浸潤細胞はCD68と第XIIIa因子が陽性,CD1aとS-100蛋白は陰性で,異型性は認めないことから黄色肉芽腫と診断した。発症から6年を経過したが,皮疹の消退傾向はない。成人の多発性黄色肉芽腫は皮疹が完全に消退することが少ない。自験例のように若年期に発症し,経過が成人期に及ぶ症例の転機の報告は少なく,経過を注意深く観察していく必要があると考えた。
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