Japanese
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特集 肉芽腫症
術後18年たって顕著化した縫合絹糸による慢性肉芽腫例
Chronic granuloma due to sutured silk thread that became prominent 18 years after the operation
前田 学
1
,
渡部 裕子
2
Manabu MAEDA
1
,
Hiroko WATABE
2
1八幡病院,皮膚科(主任:坂本 仁院長)
2わたべ皮フ科,各務原市
キーワード:
抗セントロメア抗体
,
縫合絹糸
,
慢性肉芽腫
Keyword:
抗セントロメア抗体
,
縫合絹糸
,
慢性肉芽腫
pp.1355-1358
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002784
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78歳,女性。2年来の左踵部の皮下結節を主訴に当科を紹介受診した。皮膚生検の結果,異物肉芽腫の像で,皮下型サルコイド症,皮膚結核,ノカルジア症,深在性真菌症は否定された。治療はビスコクラウリン型アルカロイド(2g/日)の内服を開始し,内服4カ月後にはvisual analogue scaleで30%まで改善したが,以後は一進一退で,治療開始2年後,同部から絹糸が排出した。20年前の外傷時に整形外科手術で使用した絹糸と判明し,除去後,略治した。抗核抗体640倍と陽性で,抗セントロメア抗体も陽性であったが,全身性強皮症やSjögren症候群は否定された。外傷術の長期経過後に,絹糸による肉芽腫が出現したものと判明した。自己抗体陽性と糖尿病が関与した可能性は否定できない。
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