Japanese
English
症例
左腋窩に生じたアポクリン腺癌の1例
Apocrine carcinoma arising in the left axilla
古谷 佳美
1
,
本田 治樹
2
,
中川 弘己
2
,
永田 誠
2
Yoshimi FURUYA
1
,
Haruki HONDA
2
,
Hiroki NAKAGAWA
2
,
Makoto NAGATA
2
1京都市立病院,皮膚科
2京都第一赤十字病院,皮膚科(主任:永田 誠部長)
キーワード:
アポクリン腺癌
,
腋窩
,
リンパ節転移
Keyword:
アポクリン腺癌
,
腋窩
,
リンパ節転移
pp.373-376
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002446
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70歳代,男性。初診1年前から左腋窩部の腫瘤を自覚し,徐々に増大した。左腋窩に紅色硬結,その内部に疣状腫瘤を認め,左腋窩リンパ節が腫脹していた。病理組織像では,好酸性の細胞質と明瞭な核小体を有する腫瘍細胞が腺管構造を構成しながら増殖し,断頭分泌像を認めた。周囲に正常乳腺組織はみられず,GCDFP15は陽性であった。造影CTで遠隔転移や他の原発巣を認めなかった。左腋窩原発アポクリン腺癌と診断し,1cmマージンで切除,左腋窩リンパ節郭清術を施行した。本人の希望もあり,術後補助療法は行わず,経過観察を行っているが,術後1年を経過し,局所再発や転移はみられていない。アポクリン腺癌はこれまで症例報告が限られており,外科的治療における切除マージン,予後や術後補助療法の必要性など,今後検討すべき課題が多く残されている。
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