症例
腋窩原発アポクリン腺癌の1例
本田 治樹
1
,
江上 将平
1
,
横山 知明
1
,
杉浦 丹
1
,
福積 聡
2
1静岡市立清水病院,皮膚科(主任:横山知明科長)
2帝京大学ちば総合医療センター,形成外科,教授
キーワード:
アポクリン腺癌
,
GCDFP‒15
,
乳癌
Keyword:
アポクリン腺癌
,
GCDFP‒15
,
乳癌
pp.1575-1578
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000208
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76歳,男性。10年前より徐々に増大傾向を示す右腋窩の47×26mm大の有茎性紅色腫瘤がみられる。病理組織学的所見では,真皮内に大型で好酸性の胞体をもつ腫瘍細胞が多数の管腔を形成しながら浸潤増殖し,断頭分泌所見を認めた。腫瘍細胞はGCDFP‒15,CK7陽性。皮膚原発アポクリン腺癌と診断し,1cmマージンで拡大切除,所属リンパ節郭清,肩甲皮弁による再建術を施行した。リンパ節転移を認め,50 Gyの放射線治療を行った。化学療法は施行せず,術後2年8カ月経過した現在,再発や転移の所見は認めていない。本疾患の予後の推測や治療方針を検討するにあたり,組織学的異型度をスコア化して評価することは非常に有用な指標になる可能性があると考えた。
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