Japanese
English
症例報告
特異な病理組織像を呈した腋窩アポクリン腺癌の1例
A case of apocrine carcinoma of the axilla with a differential pathological finding
本田 理恵
1
,
鬼澤 沙織
1
,
伊藤 周作
1
,
杉田 真太朗
2
Rie HONDA
1
,
Saori ONIZAWA
1
,
Shusaku ITO
1
,
Shintaro SUGITA
2
1日立製作所日立総合病院皮膚科
2日立製作所日立総合病院病理科
1Division of Dermatology, Hitachi General Hospital, Hitachi, Japan
2Division of Pathology, Hitachi General Hospital, Hitachi, Japan
キーワード:
アポクリン腺癌
,
腋窩
,
断頭分泌
,
乳癌
Keyword:
アポクリン腺癌
,
腋窩
,
断頭分泌
,
乳癌
pp.1079-1082
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103840
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要約 68歳,男性.左腋窩に30年前から自覚する皮疹が2か月前より増大してきたため受診した.母指頭大のやや硬い紅色結節で,粉瘤などを疑い切除した.病理組織像は真皮から脂肪織にかけて増生した膠原線維間に,非常に小さな腫瘍巣が分け入るように存在し,一部はIndian fileを示して増殖していた.腫瘍細胞は好酸性の細胞質に富み,空胞とジアスターゼ抵抗性PAS陽性顆粒を伴い,GCDFP-15陽性であった.管腔形成や断頭分泌はみられなかった.全身検索にて他臓器腺癌はなく皮膚原発のアポクリン腺癌と診断した.拡大切除し,術後3年経過した現在,再発転移は認めない.アポクリン腺癌は数か月~数十年の間,大きさの変わらない状態のことがあり,この時期の臨床像や病理組織像に関する具体的な報告は乏しい.自験例は特異な病理組織像であったために診断に苦慮した.
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