Japanese
English
症例
肺炎球菌感染症に伴って生じた電撃性紫斑病の1例
Purpura fulminans due to Streptococcus pneumoniae infection
橋本 奈々
1
,
原田 侑弥
1
,
髙橋 美咲
1
,
新山 史朗
1
,
大原関 利章
2
,
福田 英嗣
1
Nana HASHIMOTO
1
,
Yuya HARADA
1
,
Misaki TAKAHASHI
1
,
Shiro NIIYAMA
1
,
Toshiaki OHARASEKI
2
,
Hidetsugu FUKUDA
1
1東邦大学医療センター大橋病院,皮膚科(主任:福田英嗣准教授)
2同,病院病理(主任:高橋 啓教授)
キーワード:
電撃性紫斑病
,
肺炎球菌
,
敗血症性ショック
,
リコンビナントトロンボモジュリン
Keyword:
電撃性紫斑病
,
肺炎球菌
,
敗血症性ショック
,
リコンビナントトロンボモジュリン
pp.351-355
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002441
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70歳,女性。発熱,敗血症性ショック,全身の紫斑を主体とした皮疹を主訴に当科を受診した。顔面を含む全身に網状紫斑が散在し,口唇には壊死性痂皮を伴っていた。血液培養にて肺炎球菌が検出された。病理組織学的には,真皮浅層に血管の血栓性閉塞像を認めた。以上より,肺炎球菌感染症に伴う電撃性紫斑病と診断した。播種性血管内凝固症候群,敗血症に対し加療開始し,1カ月後に網状紫斑は消失,2カ月後に四肢の壊死領域は固定化した。電撃性紫斑病は広範囲な紫斑および皮下出血を伴い,最終的には乾性壊疽へと進行する,急激でしばしば致死的な経過をたどる疾患である。急性感染性電撃性紫斑病の起因菌は肺炎球菌がもっとも多く,患者背景に脾臓低形成の症例が多い。
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