Japanese
English
症例
頭部に皮膚転移を認めた悪性胸膜中皮腫の1例
Skin metastases of malignant pleural mesothelioma on the scalp
須田 久美子
1
,
新島 靖子
1
,
井上 恵一
2
,
廣島 健三
3
,
上田 善彦
4
,
河瀬 ゆり子
1
Kumiko SUDA
1
,
Yasuko NIIJIMA
1
,
Keiichi INOUE
2
,
Kenzo HIROSHIMA
3
,
Yoshihiko UEDA
4
,
Yuriko KAWASE
1
1新松戸中央総合病院,皮膚科(主任:新島靖子部長)
2同,呼吸器内科
3東京女子医科大学八千代医療センター,病理診断科
4獨協医科大学埼玉医療センター,病理診断科
キーワード:
悪性胸膜中皮腫
,
上皮型
,
皮膚転移
,
組織学的検討
,
遺伝子変異
Keyword:
悪性胸膜中皮腫
,
上皮型
,
皮膚転移
,
組織学的検討
,
遺伝子変異
pp.243-247
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002402
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
61歳,男性。悪性胸膜中皮腫と診断され,化学療法を5年間施行されるも胸部病変は緩徐に拡大した。診断の6年後に頭部に複数の紅色結節が出現し,その1つが増大して腫瘤を形成した。頭部腫瘤は組織学的に悪性胸膜中皮腫の皮膚転移と診断した。原発巣および転移巣の異型細胞はともに中皮腫マーカーのHEG1蛋白陽性であった。両者はp16遺伝子ホモ接合性欠失を認めずBAP1蛋白陰性であり,表現型の一致をみた。上皮型悪性胸膜中皮腫の平均生存期間が16.9カ月であるのに対し,この表現型では同31.7カ月である。自験例は診断7年後に死亡した。上皮型悪性胸膜中皮腫のなかに長期生存症例が少数存在することが今回再確認された。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.