Japanese
English
症例報告
妊娠のたびに環状紅斑が多発した2例
Two cases of erythema annulare appeared at every pregnancy
井上 稲子
1
,
市米 善郎
1
,
清島 真理子
1
,
森 俊二
1
,
柳原 誠
2
Ineko INOUE
1
,
Yoshirou ICHIKI
1
,
Mariko SEISHIMA
1
,
Shunji MORI
1
,
Makoto YANAGIHARA
2
1岐阜大学医学部皮膚科学教室
2福井医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Gifu University School of Medicine
2Department of Dermatology, Fukui Medical School
キーワード:
環状紅斑
,
妊娠
,
亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE)
,
Sjögren症候群
Keyword:
環状紅斑
,
妊娠
,
亜急性皮膚エリテマトーデス(SCLE)
,
Sjögren症候群
pp.595-598
発行日 1995年7月1日
Published Date 1995/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901589
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症例1:32歳,妊娠6ヵ月の主婦.第1子妊娠時に丘疹性紅斑が出現し,出産後消退す.第2子妊娠1〜2ヵ月頃より,腹部に瘙痒が出現し,6ヵ月頃には同部に瘙痒のある環状紅斑が多発したため,当科初診.抗核抗体20倍,抗SS-A抗体,抗SS-B抗体ともに陰性.ステロイド剤の外用のみで出産とともに消退した.その後,第3子妊娠時にも同様の皮疹が出現し,出産後消退.症例2:27歳主婦.第1子妊娠時8ヵ月頃環状紅斑が出現,出産とともに消退した.第2子妊娠21週より両上肢に手掌大までの環状紅斑が多発し,ステロイド剤の外用にて出産後消退した.なお,RA29IU/ml,抗核抗体陰性.組織学的所見では,表皮は軽度肥厚し,一部不全角化を認めた.真皮上層はやや浮腫状で,血管周囲にはリンパ球主体の細胞浸潤を軽度に認めた.両者ともに薬剤の既往はなかった.2症例とも自己免疫異常を伴っており,妊娠という条件が加わって,環状紅斑が発症した可能性が考えられる.
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