Japanese
English
原著
アトピー性皮膚炎における金属制限食と歯科金属除去の有用性について
Efficacy of low metal diet and dental metal elimination in the treatment of atopic dermatitis
足立 厚子
1
,
堀川 達弥
1
,
西井 十樹子
1
,
高島 務
1
,
小村 明彦
1
,
谷 昌寛
1
,
市橋 正光
1
Atsuko ADACHI
1
,
Tatsuya HORIKAWA
1
,
Tokiko NISHII
1
,
Tsutomu TAKASHIMA
1
,
Akihiko KOMURA
1
,
Masahiro TANI
1
,
Masamitsu ICHIHASHI
1
1神戸大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kobe University School of Medicine
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
金属アレルギー
,
金属制限食
,
歯科金属
,
金属内服負荷試験
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
金属アレルギー
,
金属制限食
,
歯科金属
,
金属内服負荷試験
pp.241-248
発行日 1994年3月1日
Published Date 1994/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901139
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食品や歯科金属中に含まれ消化管より吸収される金属は,その一部が汗腺より分泌され体外に排泄される.発汗により皮疹の増悪をみることの多いアトピー性皮膚炎(AD)患者において,金属がどのように病像形成に関与しているかにつき以下の検索を施行した.Hanifin-Rajkaの診断基準を満たす中等症から重症のADのうち,金属接触アレルギーの既往,発汗による皮疹の増悪,多汗部位主体の皮疹分布の3項目のうち1つ以上を認めることから,金属アレルギーの関与が疑われる22例を対象とした.種々の金属塩によるパッチテスト・皮内テスト・内服テストを行うとともに金属除去治療を行った.金属制限食ないしは歯科金属除去による金属除去治療は,AD 22例中著効5例,有効13例,無効4例であった.ADの中に消化管より吸収される金属により増悪しその除去により軽快する症例があることを示し,ADの治療の上で金属の関与に注目する必要があることを述べた.
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