Japanese
English
特集 有棘細胞癌
アトピー性皮膚炎患者の慢性眼瞼炎より生じた有棘細胞癌
Squamous Cell Carcinoma Arising from Chronic Blepharitis in a Patient with Atopic Dermatitis
濱田 健吾
1
,
大塚 正樹
1
,
佐々木 庸介
1
,
神野 泰輔
1
,
冲津 成実
1
,
佐竹 宏介
1
,
吉川 周佐
1
,
清原 祥夫
1
Kengo HAMADA
1
,
Masaki OTSUKA
1
,
Yosuke SASAKI
1
,
Taisuke KANNO
1
,
Narumi OKITSU
1
,
Kosuke SATAKE
1
,
Shusuke YOSHIKAWA
1
,
Yoshio KIYOHARA
1
1静岡県立静岡がんセンター,皮膚科(主任:清原祥夫部長)
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
慢性眼瞼炎
,
有棘細胞癌
,
瘢痕癌
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
慢性眼瞼炎
,
有棘細胞癌
,
瘢痕癌
pp.1385-1388
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002157
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49歳,男性。幼少期からのアトピー性皮膚炎にて両眼瞼に苔癬化を認めた。右下眼瞼の苔癬化局面内に小豆大の小腫瘤が出現し,生検の結果,有棘細胞癌と診断された。各種検査を施行し,リンパ節転移・遠隔転移の所見なく,腫瘍切除術と口蓋粘膜移植・頰部回転皮弁による再建術を施行した。自験例では搔破刺激などによる慢性眼瞼炎を発生母地として有棘細胞癌(瘢痕癌)に至ったと考える。慢性に経過するアトピー性皮膚炎と皮膚癌の関連性は明らかでないが,慢性皮膚疾患は癌化のリスクを念頭に置き,腫瘤が出現したら速やかに生検して病理学的評価をすることが重要である。また,瘢痕癌は再発・転移しやすいため,術後の定期的な画像評価が望ましいと考える。
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