Japanese
English
症例報告
慢性円板状エリテマトーデスより生じた有棘細胞癌の1例
A Case Report of Squamous Cell Carcinoma Arising from Chronic Discoid Lupus Erythematosus
龍神 綾子
1
,
萩原 民郎
1
,
寺内 雅美
2
Ayako RYUJIN
1
,
Tamiro HAGIWARA
1
,
Masami TERAUCHI
2
1沼津市立病院皮膚科
2沼津市立病院形成外科
1Department of Dermatology, Numazu City Hospital
2Department of Plastic Surgery, Numazu City Hospital
キーワード:
慢性円板状エリテマトーデス(DLE)
,
瘢痕癌
,
統計的考察
Keyword:
慢性円板状エリテマトーデス(DLE)
,
瘢痕癌
,
統計的考察
pp.959-963
発行日 1989年8月1日
Published Date 1989/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204196
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慢性円板状エリテマトーデス(以下,DLE)の瘢痕の病巣の1個から生じた有棘細胞癌(以下,SCC)の1例を報告するとともに,過去10年間に報告のあった瘢痕癌のうち,DLEの瘢痕癌16例と,熱傷瘢痕癌25例を比較して,癌発現まででの期間,発生部位,性差などの考察を行った.癌発現までの期間は,DLEが平均18.1年,熱傷が47.1年とDLEの方が早く発現していた.発生部位は,DLEは顔面に圧倒的に多く,熱傷は頭部,四肢に多くみられた.性別では,どちらも男性に多くみられ,いずれもこれまでの報告とほぼ一致する結果であった.発生機序は瘢痕を母地とする以外にも,光過敏性,慢性刺激などの問題も考えられるが,いずれにしても瘢痕を残さないようにすることが癌発現を防ぐために必要と思われ,最近の知見にもふれた.
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