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特集 肉芽腫症
特異な臨床像を呈し,組織学的にGranulomatous Rosacea-like Demodicidosis Gravisに合致すると考えた1例
A Case Matching the Pathologic Findings of Granulomatous Rosacea-like Demodicidosis Gravis Presenting with Unique Clinical Features
坂井田 高志
1
,
西尾 栄一
1
,
新谷 洋一
2
,
森田 明理
2
Takashi SAKAIDA
1
,
Eiichi NISHIO
1
,
Yoichi SHINTANI
2
,
Akimichi MORITA
2
1豊川市民病院,皮膚科(主任:西尾栄一部長)
2名古屋市立大学大学院医学研究科,加齢・環境皮膚科学(主任:森田明理教授)
キーワード:
毛包虫
,
肉芽腫
Keyword:
毛包虫
,
肉芽腫
pp.1275-1279
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002120
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75歳,男性。当科初診の2~3年前より左側頭部に隆起した黒色斑を自覚し,1年前よりびらんとなった。初診時は22×12mm大の紅色局面と下方の一部にびらんがあり,病理組織像では肉芽腫性病変がみられた。ミノサイクリン塩酸塩内服,ステロイド外用するも徐々にびらんが環状の潰瘍に拡大し,右前腕,陰囊部に同様の紅斑が出現した。組織を再検討すると肉芽腫組織周囲に毛包虫と考えられる虫体の存在を認めた。メトロニダゾール,プレドニゾロンの内服では増悪し,部分的なクロタミトン外用により,潰瘍の一部が上皮化した。さらにイベルメクチン内服を追加したところ,潰瘍は治癒した。以上の治療経過より,自験例の病因として毛包虫の関与を考えた。
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