Japanese
English
特集 細菌・抗酸菌感染症
下顎骨骨折の術後に発症した放線菌症の1例
Actinomycosis that Developed after the Operation of the Fracture of Mandible
竹治 真明
1
,
村山 喬之
1
,
緒方 大
2
,
安澤 数史
3
,
常深 祐一郎
1
,
中村 晃一郎
1
,
土田 哲也
1
Masaaki TAKEJI
1
,
Takayuki MURAYAMA
1
,
Dai OGATA
2
,
Kazushi ANZAWA
3
,
Yuichiro TSUNEMI
1
,
Kouichiro NAKAMURA
1
,
Tetsuya TSUCHIDA
1
1埼玉医科大学,皮膚科学教室(主任:中村晃一郎教授)
2国立がん研究センター中央病院,皮膚腫瘍科
3金沢医科大学,皮膚科学教室
キーワード:
放線菌症
,
Actinomycosis israelii
,
下顎骨骨折
Keyword:
放線菌症
,
Actinomycosis israelii
,
下顎骨骨折
pp.1027-1032
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002040
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32歳,男性。初診7カ月前に当院口腔外科にて左側下顎骨骨折に対し全身麻酔下で観血的整復術を施行した。その後,同部位に常色米粒大,軽度隆起する硬い小結節がみられ,抗菌薬の内服を行うも徐々に増大したため当科を紹介受診した。初診時は26×13mmの淡紅色,弾性・軟,圧痛のある結節であったが,2カ月の経過で42×17mmまで増大したため切除した。病理組織学的に,菌塊および菌塊辺縁に好酸性の棍棒状突起がみられ,放線菌症と診断し,PCR法にて菌種をActinomyces israeliiと同定した。発症の経緯として,下顎骨骨折に対する観血的処置により,口腔内に常在する放線菌が迷入し皮膚放線菌症へ至ったと考えられた。
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