Japanese
English
症例報告
続発性皮膚ノカルジア症の1例
A case of secondary cutaneous nocardiosis due to Nocardia abscessus
佐野 友佑
1
,
大場 操
1
,
白濱 茂穂
1
,
角谷 拓哉
2
Yusuke SANO
1
,
Misao OBA
1
,
Shigeho SHIRAHAMA
1
,
Takuya KAKUTANI
2
1総合病院聖隷三方原病院皮膚科
2総合病院聖隷三方原病院呼吸器内科
1Division of Dermatology, Seirei Mikatahara General Hospital, Hamamatsu, Japan
2Division of Pulmonary Medicine, Seirei Mikatahara General Hospital, Hamamatsu, Japan
キーワード:
皮膚ノカルジア症
,
皮下膿瘍
,
Nocardia abscessus
Keyword:
皮膚ノカルジア症
,
皮下膿瘍
,
Nocardia abscessus
pp.1091-1094
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205595
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要約 83歳,男性.前立腺癌に対してホルモン療法を受けていた.当科初診3か月前に右前胸部に皮下腫瘤が出現した.腫瘤は次第に発赤,腫脹を伴うようになり,自壊したため当科を受診した.前立腺癌治療前のCT検査で右肺中葉末梢に結節影を認めており,呼吸器内科で経過観察中であった.右前胸部に自壊した皮下膿瘍を認め,わずかに粘稠度のある膿性滲出液を伴っていた.病変部からグラム陽性桿菌が検出され,培養の結果はNocardia abscessusであった.排膿により右肺の陰影が若干改善したため,肺ノカルジア症が皮下へ波及したと考えた.呼吸器内科でスルファメトキサゾール/トリメトプリム合剤の内服加療が開始され,皮膚潰瘍は1か月後に上皮化した.肺から直接皮膚病変へ波及する疾患には放線菌,結核,原発性肺癌などがある.胸壁の潰瘍性病変では,基礎疾患の確認,病変部の生検や培養など総合的な検索が必要と考えられた.
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