Japanese
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特集 細菌・抗酸菌感染症
SGLT2阻害薬内服中にフルニエ壊疽への進行が危惧された外陰部重度軟部組織感染症の1例
Severe Soft Tissue Infection in External Genitalia with Apprehensions of Possible Progression into Fournier’s Gangrene in a Patient on SLGT2 Inhibitor
坂本 旭
1
,
森下 尚明
2
,
堀口 純
3
,
森桶 聡
4
,
秀 道広
4
Akira SAKAMOTO
1
,
Hisaaki MORISHITA
2
,
Jun HORIGUCHI
3
,
Satoshi MORIOKE
4
,
Michihiro HIDE
4
1広島共立病院,皮膚科
2同,内科
3同,放射線科
4広島大学大学院医系科学研究科,皮膚科学(主任:秀 道広教授)
キーワード:
SGLT2阻害薬
,
エンパグリフロジン
,
外陰部蜂窩織炎
,
フルニエ壊疽
,
尿中グルコース濃度
Keyword:
SGLT2阻害薬
,
エンパグリフロジン
,
外陰部蜂窩織炎
,
フルニエ壊疽
,
尿中グルコース濃度
pp.1022-1026
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002039
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54歳,男性。2019年4月より2型糖尿病に対しSGLT2阻害薬(エンパグリフロジン)を内服中,2019年10月X日,発熱,陰囊部の疼痛,腫脹を主訴に当科を初診した。両陰囊皮膚の壊死を伴っており,フルニエ壊疽への進行も懸念される外陰部の重度軟部組織感染症と診断した。速やかな患部のドレナージ,抗菌薬全身投与,外用処置を行い症状は鎮静化した。SGLT2阻害薬は有用な糖尿病治療薬として期待される一方,近年,フルニエ壊疽発症のリスク増加が指摘されている。本薬は皮膚・軟部組織感染症を併発するリスクがあることも踏まえ,慎重な経過観察と感染対策のもとでの使用が望まれる。
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