特集 細菌感染症
直腸癌を合併したフルニエ壊疽
天日 桃子
1
,
出月 健夫
1
,
五十嵐 敦之
1
,
野原 孝哉
2
1NTT 東日本関東病院,皮膚科(主任:五十嵐敦之部長)
2同,総合診療科
キーワード:
フルニエ壊疽
,
直腸癌
,
壊死性筋膜炎
Keyword:
フルニエ壊疽
,
直腸癌
,
壊死性筋膜炎
pp.1503-1506
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000191
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フルニエ壊疽の発症をきっかけに,直腸癌と診断された症例を経験した。症例は70歳,男性。既往歴に特記すべき事項はない。4日前から発熱。急速に拡大する,下腹部から外陰部にかけての強い炎症を自覚し,脱力,歩行困難となり当院へ救急搬送となった。下腹部から外陰部にかけての皮膚は発赤,腫脹し,一部壊死を伴う。腹部CTでは広範に腫脹,液体貯留,皮下ガス像も確認され,フルニエ壊疽と診断した。緊急デブリードマンを行い,集中治療室での全身管理を行った。全身状態が安定してから施行した下部消化管内視鏡検査で直腸癌が発見された。直腸癌がフルニエ壊疽の原因となることはまれであるが,本疾患に伴うことも念頭に診察する必要がある。
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