特集 付属器疾患 その疑問にお答えします! — ニキビから巻き爪まで Q&A50 —
第Ⅱ章 脂腺
Q21 レーザー・光線治療は痤瘡に効果があるのでしょうか。
古村 南夫
1
Minao FURUMURA
1
1福岡歯科大学総合医学講座,皮膚科学分野
キーワード:
尋常性痤瘡
,
レーザー治療
,
光線治療
,
光線力学的療法
,
Cutibacterium acnes
Keyword:
尋常性痤瘡
,
レーザー治療
,
光線治療
,
光線力学的療法
,
Cutibacterium acnes
pp.793-800
発行日 2020年5月30日
Published Date 2020/5/30
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001987
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レーザー治療や光線治療は痤瘡治療の第一選択とはなりませんが,標準的な薬物治療と併用すると効果的な場合があります。薬物治療抵抗例や抗菌薬が使用できない場合にも用いられます。光の波長によってさまざまな作用をもつため,軽症から中等症の痤瘡や痤瘡瘢痕に対してある程度の改善効果が期待できます。有用性は,複数のランダム化比較試験で確認されていますが,薬物治療との比較やCutibacterium acnesに対する殺菌作用のエビデンスはほとんどありません。治療の改善効果は一過性で,通常は数週間後に認められます。欠点として効果の個人差が大きく効果予測が困難な点や,単独では新生をほとんど抑制できず費用対効果も低い点があります。近年,低侵襲性の光線治療器による在宅療法が海外で取り入れられています。長期間の頻回治療が必要ですが,定期的な照射が痤瘡と治療効果への気づきを高めて治療参加・継続の動機づけとなり,アドヒアランスの改善や満足度向上も認められています。
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