Japanese
English
症例
多形紅斑や伝染性膿痂疹との鑑別を要した小児の後天性表皮水疱症の1例
Acquired epidermolysis bullosa in a child needed to be differentiated from Stevens-Johnson syndrome and impetigo
川喜田 遥香
1
,
奥根 真里
1
,
伊藤 美佳子
1
,
小林 桂子
1
,
石井 文人
2
Haruka KAWAKITA
1
,
Mari OKUNE
1
,
Mikako ITO
1
,
Keiko KOBAYASHI
1
,
Norito ISHII
2
1水戸赤十字病院,皮膚科(主任:小林桂子部長)
2久留米大学医学部,皮膚科(主任:名嘉真武国教授)
キーワード:
小児
,
後天性表皮水疱症
,
甲状腺疾患
Keyword:
小児
,
後天性表皮水疱症
,
甲状腺疾患
pp.2043-2047
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003002
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6歳,女児。甲状腺疾患の既往があった。顔面に紅斑と水疱が出現し,頸部や胸背部,臀部に拡大した。当初,多形紅斑を疑いステロイド外用で皮疹は一旦消退するも再燃した。伝染性膿痂疹を疑い抗菌薬治療するも無効であった。皮膚病理検査で表皮下水疱,蛍光抗体直接法でIgGとC3が表皮真皮境界部に線状沈着した。ELISA法,免疫ブロット法でⅦ型コラーゲンに対する自己抗体を検出し,後天性表皮水疱症と診断した。プレドニゾロン20mg/日(1.0mg/kg/日)内服で消退するも,減量後に皮疹が再燃し,35mg/日(1.7mg/kg/日)に増量した。その後は皮疹なく同剤を漸減している。小児の後天性表皮水疱症はまれであり,診断に苦慮した。
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