Japanese
English
特集 悪性上皮系腫瘍
転移性皮膚腫瘍との鑑別を要した頭部アポクリン腺癌の1例
Apocrine Adenocarcinoma of the Scalp Requiring Differential Diagnosis from Metastatic Skin Tumor
塩味 達也
1
,
緒方 大
1
,
村上 拓生
1
,
横田 亜樹子
1
,
中村 晃一郎
1
,
新井 栄一
2
,
土田 哲也
1
Tatsuya SHIOMI
1
,
Dai OGATA
1
,
Takuo MURAKAMI
1
,
Akiko YOKOTA
1
,
Koichiro NAKAMURA
1
,
Eiichi ARAI
2
,
Tetsuya TSUCHIDA
1
1埼玉医科大学,皮膚科(主任:土田哲也教授)
2埼玉医科大学国際医療センター,病理診断科
キーワード:
アポクリン腺癌
,
肝細胞癌
,
転移性皮膚腫瘍
,
免疫染色
Keyword:
アポクリン腺癌
,
肝細胞癌
,
転移性皮膚腫瘍
,
免疫染色
pp.1505-1508
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001584
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84歳,男性。6カ月前に肝細胞癌と診断され無治療経過観察中,右側頭部に有茎性腫瘤が出現し当科を紹介受診した。初診時,右側頭部有茎性腫瘤の近隣に皮下結節が2カ所あり,計3カ所の全摘生検を行った。病理組織所見ではすべての病変で好酸性~両染性の細胞質を有する異型細胞が充実性に胞巣を形成し,管腔構造と断頭分泌がみられた。腫瘍が表皮から連続性に増殖しており肝細胞由来のマーカーであるHep-PAR1とAFP陰性であったことから肝細胞癌の転移は考えにくいと判断した。全身検索でもその他の原発巣を認めず,皮膚原発アポクリン腺癌の診断に至った。局所多発する臨床像と肝細胞癌の既往から,転移性皮膚癌との鑑別を要した。
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