Japanese
English
症例
濾胞性ヘルパーT細胞の特徴を示す原発性皮膚CD4陽性小・中細胞型T細胞リンパ増殖異常症の1例
Primary Cutaneous CD4+Small/Medium T-cell Lymphoproliferative Disorder with Characteristics of Follicular Helper T Cells
辻野 佳雄
1
,
大沼 秀行
2
,
稗田 洋子
3
,
三原 祐子
1
,
石飛 朋子
1
,
玉置 幸久
3
,
猪俣 泰典
3
,
鈴宮 淳司
4
Yoshio TSUJINO
1
,
Hideyuki OHNUMA
2
,
Yoko HIEDA
3
,
Yuko MIHARA
1
,
Tomoko ISHITOBI
1
,
Yukihisa TAMAKI
3
,
Taisuke INOMATA
3
,
Junji SUZUMIYA
4
1島根県立中央病院,皮膚科(主任:辻野佳雄部長)
2同,病理組織診断科,部長
3島根大学医学部,放射線腫瘍学(主任:猪俣泰典教授)
4島根大学医学部附属病院,先端がん治療センター,教授
キーワード:
濾胞性ヘルパーT細胞
,
原発性皮膚CD4陽性小・中細胞型T細胞リンパ増殖異常症
,
放射線治療
Keyword:
濾胞性ヘルパーT細胞
,
原発性皮膚CD4陽性小・中細胞型T細胞リンパ増殖異常症
,
放射線治療
pp.665-669
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001356
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66歳,男性。陰茎基部左側に3cm大の発赤を伴う腫瘤が出現した。皮膚生検で,真皮全層に小・中型の異型リンパ球がびまん性に浸潤し,表皮向性は認めなかった。免疫染色はCD3陽性,CD4陽性,CD8陽性,CD30陰性であった。反応性CD20陽性Bリンパ球がリンパ球全体の5%程度混在していた。PD-1,BCL-6,CD10が陽性のため濾胞性ヘルパーT細胞の特徴を示す原発性皮膚CD4陽性小・中細胞型T細胞リンパ増殖異常症(PCSM-TCLD)と診断した。PD-1染色は近年普及しはじめた染色方法のため,PCSM-TCLDに確立された治療法はまだ存在しない。PCSM-TCLDの病巣が皮膚に限局した場合,外科的切除と比較して侵襲が少ない放射線療法は有用で,推奨される治療法である。自験例は下腹部病巣に電子線照射を行い,完全寛解し,再発なく,現在も完全寛解を維持している。
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