Japanese
English
症例報告
CD30陽性細胞が散見された原発性皮膚CD4陽性小・中細胞型T細胞リンパ増殖異常症の1例
A case of primary cutaneous CD4+ small/medium T-cell lymphoproliferative disorder with scattered CD30+ large cell infiltration
伊藤 一真
1
,
乗松 雄大
1
,
赤塚 太朗
1
,
森村 壮志
1
,
濱田 利久
1
,
菅谷 誠
1
Kazuma ITO
1
,
Yuta NORIMATSU
1
,
Taro AKATSUKA
1
,
Sohshi MORIMURA
1
,
Toshihisa HAMADA
1
,
Makoto SUGAYA
1
1国際医療福祉大学医学部皮膚科
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, International University of Health and Welfare, Narita, Japan
キーワード:
原発性皮膚CD4陽性小・中細胞型T細胞リンパ増殖異常症
,
濾胞ヘルパーT細胞
,
BCL-6
,
PD-1
,
CD30
Keyword:
原発性皮膚CD4陽性小・中細胞型T細胞リンパ増殖異常症
,
濾胞ヘルパーT細胞
,
BCL-6
,
PD-1
,
CD30
pp.593-599
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207360
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要約 50歳,女性.2023年1月より左鼻背に増大傾向のある紅色結節を自覚した.近医を受診し,ステロイド外用を行ったが抵抗性のため,3月に前医にて生検が行われた.CD30陽性T細胞リンパ増殖異常症の疑いで精査加療目的に当科を紹介され受診した.再生検した病理組織では,小型から中型のリンパ球が真皮全層に浸潤し,CD3陽性細胞がCD20陽性細胞よりも多くみられた.CD4陽性細胞はCD8陽性細胞に対し優位で,一部でBCL-6,PD-1が陽性であった.増殖している細胞の中には,CD30陽性の大型細胞も散見された.T細胞受容体γ鎖再構成も認め,原発性皮膚CD4陽性小・中細胞型T細胞リンパ増殖異常症と診断した.フルドロキシコルチドテープ貼付を開始し,初診から約1か月で病変部は平坦化した.本疾患では大型細胞を伴う場合でも再発難治となる例は稀と考えられ,過剰な治療を避けるためにも正確に診断する必要がある.
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