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特集 SLEとAAVの新展開
総論
自己免疫疾患における濾胞性ヘルパーT細胞
T follicular helper cells in autoimmune diseases
中山田 真吾
1
,
田中 良哉
1
NAKAYAMADA Shingo
1
,
TANAKA Yoshiya
1
1産業医科大学医学部第1内科学講座
キーワード:
濾胞性ヘルパーT細胞
,
全身エリテマトーデス
,
自己免疫疾患
Keyword:
濾胞性ヘルパーT細胞
,
全身エリテマトーデス
,
自己免疫疾患
pp.880-885
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000765
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はじめに
濾胞性ヘルパーT(T follicular helper:Tfh)細胞は,胚中心(germinal center:GC)においてB細胞の分化と親和性成熟による抗体産生を誘導するヘルパーT細胞である1)。自己免疫疾患の病態形成では,自己反応性T細胞とB細胞の活性化,および産生された自己抗体による組織障害が介在する。関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)では,関節炎の発症前から抗環状シトルリン化ペプチド(cyclic citrullinated peptide:CCP)抗体が検出され,Tfh細胞とB細胞による自己免疫応答の誘導が発症に関与するとともに,患者末梢血のTfh細胞の活性化が疾患活動性や抗CCP抗体などの自己抗体価と相関をもって検出される2,3)。さらに,RA滑膜炎組織や全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)の腎炎組織を用いたシングルセル解析では,炎症部位に浸潤するCD4 T細胞はTfh様のフェノタイプを示すことが報告されており,局所免疫応答における重要性も示唆されている4,5)。
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