Monoclonal Gammopathy of Undetermined Significanceを基礎疾患とし膜性増殖性糸球体腎炎を続発したⅠ型クリオグロブリン血症の1例

Type I Cryoglobulinemia Associated with Monoclonal Gammopathy of Undetermined Significance Followed by Membranoproliferative Glomerulonephritis

45歳，女性。3年前にM蛋白血症を指摘され，寒冷蕁麻疹を発症した。外出すると頰部に紫斑が出没するため受診した。初診時，両頰部，耳介および右上腕外側に紫斑がみられた。病理組織学的には真皮内の血管腔が好酸性の無構造物質により閉塞し，壊死性血管炎を伴っていた。血清クリオグロブリン陽性，免疫電気泳動で単クローン性IgG-λ型を検出した。骨髄検査の結果，基礎疾患としてmonoclonal gammopathy of undetermined significanceが判明した。皮疹は保温と血管拡張薬により改善したが，血蛋白尿が持続するようになった。初診から1年8カ月後，膜性増殖性糸球体腎炎を続発した。Ⅰ型クリオグロブリン血症でも壊死性血管炎を伴うことがあり，腎病変に注意すべきである。