Japanese
English
症例報告
化学熱傷部位に生じた多形紅斑様皮疹の1例
A case of erythema multiforme-like eruption developing at the site of chemical burn
川口 博史
1,2
,
松永 裕子
2
,
中嶋 弘
2
Hiroshi KAWAGUCHI
1,2
,
Hiroko MATSUNAGA
2
,
Hiroshi NAKAJIMA
2
1国立相模原病院皮膚科
2横浜市立大学医学部皮膚科
1Division of Dermatology, National Sagamihara Hospital
2Department of Dermatology, Yokohama City University, School of Medicine
キーワード:
多形紅斑
,
化学熱傷
,
エチレンイミン
Keyword:
多形紅斑
,
化学熱傷
,
エチレンイミン
pp.715-717
発行日 1995年8月1日
Published Date 1995/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901620
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33歳,男性.アルカリ性のエチレンイミンによる化学熱傷を受けた.Superficial dermal burn(SDB)からdeep dermal burn(DDB)の化学熱傷として経過を観察していたところ,受傷後8日目より同部位に隆起性の病変が出現した.組織学的には,表皮下水疱を形成し,真皮ではリンパ球,好酸球,組織球よりなる細胞浸潤がみられ,多形紅斑様の組織反応であった.ステロイド外用により色素沈着を残して治癒した.多形紅斑の原因としては,様々なものが考えられるが,接触皮膚炎の経過中に多形紅斑を合併する例はすでに報告があるものの,自験例のような化学熱傷の経過中に同様の皮疹が出現するのは,我々が調べ得た限りではまだ報告がなく稀なことと思われる.
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