Japanese
English
症例
短期間の抗菌薬投与で略治したMycobacterium chelonaeによる非結核性抗酸菌症の1例
Mycobacterium chelonae Infection of the Skin Successfully Treated with Short Term Antibiotic Therapy
大阿久 聡恵
1
,
小林 真麻
1
,
武本 和也
2
,
徳永 創太郎
3
,
田部井 弘一
3
,
石井 則久
4
,
青笹 尚彦
1
Satoe OAKU
1
,
Maasa KOBAYASHI
1
,
Kazuya TAKEMOTO
2
,
Sotaro TOKUNAGA
3
,
Koichi TABEI
3
,
Norihisa ISHII
4
,
Naohiko AOZASA
1
1立正佼成会附属佼成病院,皮膚科(主任:青笹尚彦部長)
2同,循環器内科(主任:鈴木和仁部長)
3同,消化器内科(主任:高橋信一部長)
4国立感染症研究所ハンセン病研究センター,センター長
キーワード:
Mycobacterium chelonae
,
非結核性抗酸菌症
,
抗菌薬
Keyword:
Mycobacterium chelonae
,
非結核性抗酸菌症
,
抗菌薬
pp.417-420
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000636
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87歳,女性。2週間前から右手背に紅色結節が出現した。皮膚生検で真皮に肉芽腫性炎症を認めた。組織のZiehl-Neelsen染色で抗酸菌を検出し,培養でMycobacterium chelonaeと同定した。生検直後からミノサイクリン塩酸塩内服と温熱療法を開始した。しかしながら,慢性心不全と蛋白漏出性胃腸症の増悪のため,内服は2週間で中止した。その後,患者は入院後60日で永眠された。その間,ホスホマイシン19日間,レボフロキサシン5日間,プレドニゾロンが2週間投与された。このように,抗菌薬は短期間の投与であったが,皮疹は経時的に縮小し,初診2カ月後には浸潤も触れず略治した。自験例は短期間の抗菌薬投与で改善した点が特徴的である。
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