Japanese
English
症例報告
広範囲に皮疹を生じたMicrosporum canisによる体部白癬の1例—ヘアーブラシ法による検討を含めて
A Case of Tinea Corporis with Widespread Lesions Caused by Microsporum canis
加藤 卓朗
1
,
西岡 清
1
Chin-Huai Keong
1
,
Takurou KATOH
1
,
Kiyoshi NISHIOKA
1
1東京医科歯科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
Microsporum canis
,
ヘアーブラシ法
,
体部白癬
Keyword:
Microsporum canis
,
ヘアーブラシ法
,
体部白癬
pp.617-619
発行日 1991年7月1日
Published Date 1991/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900413
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20歳,女性.自宅に7匹のネコを飼っていた.初診の2カ月前より両前腕に瘙痒性皮疹を生じ,ステロイド軟膏の外用で悪化した.初診時に顔面,頸部および両前腕に鱗屑を伴う浮腫性環状紅斑とそれに混在して丘疹ないし小結節を認める.鱗屑の直接鏡検で菌要素を認め,Microsporum(M.)canisを分離した.イトラコナゾール1日100mgを2週間内服後,直接鏡検で菌の陰性化を認めた.ヘアーブラシ法で本人および同居の母と姉の頭髪より多数のコロニーを検出した.しかし,母と姉は無治療で経過をみたところ,菌の陰性化は4週後に全員にみられ,頭部の発病はなかった.なお,ネコは7匹とも菌の検索を施行する以前に捨てられたため検索できなかった.また自験例のヘアーブラシ法の結果を当教室で経験したM.canis感染症の病巣のない頭髪からのヘアーブラシ法の菌の検索結果と比較した.
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