特集 悪性黒色腫
ダブラフェニブ/トラメチニブの中止で転移巣が再発,再開にて縮小した悪性黒色腫の1 例
吉田 有友子
1
,
加藤 裕史
1
,
坂井田 高志
1
,
堀尾 愛
1
,
森田 明理
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科,加齢・環境皮膚科学(主任:森田明理教授)
キーワード:
悪性黒色腫
,
ダブラフェニブ
,
トラメチニブ
Keyword:
悪性黒色腫
,
ダブラフェニブ
,
トラメチニブ
pp.1971-1974
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000393
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73 歳,女性。数年前より左肩背部に黒色斑が出現し,徐々に隆起してきたため2014 年9 月初旬に当科を紹介受診した。切除し病理組織学的に悪性黒色腫(pT4bN0M0 StageⅡc)と診断した。術後経過観察していたが,2016 年5 月,CT で増大する両肺結節を認め,肺転移と診断した。術後,採取組織の遺伝子検索でBRAF 遺伝子変異が認められていたため,転移巣に対してBRAF 阻害薬/MEK 阻害薬であるダブラフェニブ/トラメチニブを投与開始したところ投与後1 カ月で両肺結節はほぼ消失した。3 カ月間の薬剤使用後,患者の強い希望により投薬を中止した。中止1 カ月後右肺に小結節が出現し,投薬を再開した。再開1 カ月後には再度肺小結節の縮小を認めた。自験例は,患者の希望によりダブラフェニブ/トラメチニブを間歇的に投与する結果となったが,完全寛解後の再発に有効であった。自験例より,ダブラフェニブ/トラメチニブの間歇的投与の有用性および画像上腫瘍が消失した際にも,ある程度の薬剤継続期間が必要であることが示された。
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