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文献紹介 悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節転移に対する完全郭清と経過観察との比較
増田 容子
1
1慶應義塾大学
pp.40
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205294
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これまで,厚さが中等度(1.2〜3.5mm)の悪性黒色腫を有し,リンパ節転移を認める患者において,センチネルリンパ節生検は,悪性黒色腫特異的生存期間の延長に関連することが示されていた.しかし,センチネルリンパ節転移陽性患者に対する完全リンパ節郭清の有用性は明らかにされていなかった.
本論文では,国際共同研究の第Ⅲ相試験で,センチネルリンパ節転移陽性患者に対する完全リンパ節郭清の有用性につき検討された.病理学的検討または分子学的検討によりセンチネルリンパ節転移陽性と診断された患者が,即時に完全リンパ節郭清を行う群(郭清群)と超音波検査によりリンパ節を観察し転移が疑われた際に郭清を行う群(経過観察群)に無作為に割り付けられた.主要評価項目は悪性黒色腫特異的生存とされ,副次的評価項目は,無病生存,センチネルリンパ節以外のリンパ節転移の累積発生率などとされた.
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