症例
頭部有棘細胞癌に発生した蝿蛆症の1例
本間 由希子
1
,
平澤 祐輔
1
,
白石 映里子
1
,
飯田 秀雄
1
,
土橋 人志
1
,
込山 悦子
1
,
池田 志斈
1
,
林 利彦
2
1順天堂大学医学部,皮膚科学講座(主任:池田志斈教授)
2国立感染症研究所,昆虫医科学部
キーワード:
蝿蛆症
,
有棘細胞癌
Keyword:
蝿蛆症
,
有棘細胞癌
pp.1923-1926
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000374
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88 歳,女性。独居かつ認知症がみられる。2014 年8 月,右頭部有棘細胞癌に対して皮膚腫瘍切除術,分層植皮術を施行した。断端陰性であったが,9 月に創部辺縁に3 cm 大の結節が出現し,再手術の予定であった。10 月初旬創部からの出血の訴えがあり,救急外来を受診。体温39.0℃,腫瘍は10 cm 大となり内部の壊死巣には多数のハエ幼虫が寄生していた。可及的に幼虫を除去した後,同日全身麻酔下で悪性腫瘍切除術,ならびに植皮術を施行した。創部・血液培養から複数菌が検出された。高齢化に伴い,蝿蛆症は増加する可能性があり,今後の老人医療の重要な課題のひとつと考える。
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