特集 悪性上皮系腫瘍
腹壁瘢痕ヘルニアに発生した有棘細胞癌の1例
上野 千裕
1
,
上中 麻希
1
,
貴島 顕二
1
,
奥田 良三
1
1京都第二赤十字病院,形成外科(主任:奥田良三部長)
キーワード:
腹壁瘢痕ヘルニア
,
有棘細胞癌
Keyword:
腹壁瘢痕ヘルニア
,
有棘細胞癌
pp.1361-1364
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000148
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49歳,女性。腹壁瘢痕ヘルニアに発生した有棘細胞癌に対し,腹部正中の45×15mm大の潰瘍を含め瘢痕を切除し,ヘルニアに対し修正術・遊離自家大腿筋膜移植術を施行し,良好な結果を得た。病理組織学的所見では,表皮から連続して角化傾向を有する異型細胞の増殖が存在し,多数の癌真珠を認めた。有棘細胞癌の発生母地として腹壁瘢痕ヘルニアの報告はまれであるが,有棘細胞癌を生じる可能性があることを念頭に治療にあたることが重要と考えた。
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