憧鉄雑感
第68 回 帯状疱疹
安部 正敏
1
1医療法人社団廣仁会札幌皮膚科クリニック,褥瘡・創傷治癒研究所
pp.1927-1927
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000355
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帯状疱疹の初期治療が重要であるのは,皮膚科医であれば常識中の常識である。治療が遅れた場合の神経痛は多分に手古摺る。以前,どこに行っても満足しない帯状疱疹後神経痛の患者が筆者をご指名でお見えになったことがある。訊くと,これまで理にかなった治療を受けており,そもそも筆者に魔法のような治療手段がある訳でもない。“従来治療をしっかりしましょう”とお話しすると,“だって先生はこの病気の名医なのでしょう? 新聞に書いてあった”などと言う。新聞など犯罪ならばまだしも,筆者は名医で載ることなどない…と思ったら,ご高名な先生が多大なるご配慮で“全国お勧めの帯状疱疹名医”に筆者の名を挙げてくださっていたのである。喜び勇んで,思わず舞い上がってしまい,その後の診察がやけに丁寧になったのは言うまでもない。
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