症例
下腹部に生じたNerve Sheath Myxomaの1例
山根 理恵
1
,
利根川 守
2
,
川瀬 正昭
1
,
江藤 隆史
1
,
伊東 慶悟
3
,
岸田 由起子
4
1東京逓信病院,皮膚科(主任:江藤隆史部長)
2同,形成外科
3東京慈恵会医科大学附属病院,皮膚科
4東京逓信病院,病理科
キーワード:
nerve sheath myxoma
,
neurothekeoma
,
Schwann細胞
,
S‒100蛋白
Keyword:
nerve sheath myxoma
,
neurothekeoma
,
Schwann細胞
,
S‒100蛋白
pp.1749-1752
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000256
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69歳,女性。約1年前より生じた左下腹部の10mm大の無痛性紅色結節が,ドーム状に隆起していた。病理組織学的には,真皮内に線維性中隔によって区分された大小の小葉を認め,錯綜する紡錘形細胞と豊富な好塩基性の粘液様物質で構成されていた。紡錘形細胞はS‒100蛋白・NSE 陽性,粘液様物質はalcian blue染色陽性であり,nerve sheath myxomaと診断した。本腫瘍は,neurothekeomaと共通する病理所見が多く紛らわしいが,S‒100蛋白染色を用いることで両者の鑑別は可能となる。また,本邦における本腫瘍の報告をまとめると,発症年齢,発生部位,大きさに関しては欧米の報告と同様の傾向が窺えた。
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