原著
Nerve Sheath Myxoma
木村 俊次
1
Shunji KIMURA
1
1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科
1Division of Dermatology, Tachikawa Kyosai Hospital
キーワード:
nerve sheath myxoma
,
neurothekeoma
,
シュワン細胞
,
神経外套細胞
Keyword:
nerve sheath myxoma
,
neurothekeoma
,
シュワン細胞
,
神経外套細胞
pp.385-388
発行日 1991年5月1日
Published Date 1991/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900366
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40歳女子,右前胸部に3年来認めた9×8mmの扁平隆起性淡紅色腫瘤が組織学的にnerve sheath myxomaの典型像を示した.すなわち真皮上・中層に周囲結合織によって境され,それより明るくみえる類円形の胞巣が全体として帯状に配列する.胞巣中心部はエオジン淡染性の比較的豊富な胞体を持つ類上皮様の細胞が集合し,辺縁部では細長な紡錘形細胞が同心円状に配列する.類上皮様の細胞のみや紡錘形細胞のみから成る胞巣も存在する.また中心部に神経の横断像をみる胞巣もある.核に多少の大小不同はみられるものの,異型性はほとんどない.これらの胞巣はムチンに富み,マスト細胞も軽度増加する.S−100蛋白染色は陰性であったが,その構築から神経外套細胞とシュワン細胞の両方から由来している可能性が考えられた.
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