症例
保存的加療を組み合わせ局所麻酔下で再建した高齢者の臀部慢性放射線皮膚潰瘍の1例
山本 晋也
1
,
尾本 陽一
2
,
日高 良子
1
,
横山 智哉
1
,
山中 恵一
1
,
水谷 仁
1
1三重大学,皮膚科学講座(主任:水谷仁教授)
2市立四日市病院,皮膚科
キーワード:
慢性放射線皮膚潰瘍
,
トラフェルミン
,
保存的加療
,
陰圧閉鎖療法
,
人工真皮植皮
Keyword:
慢性放射線皮膚潰瘍
,
トラフェルミン
,
保存的加療
,
陰圧閉鎖療法
,
人工真皮植皮
pp.1713-1716
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000247
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82歳,女性。47歳時に子宮癌根治術,術後放射線治療を受け,以降照射部位である仙骨部は板状硬結であった。半年前より同部位に潰瘍が生じ,近医で保存的加療を受けるも改善しないため当科を紹介受診し,入院した。潰瘍および硬結を局所麻酔下で切除し,人工真皮を貼付した。病理検査で悪性所見がないことを確認し,陰圧閉鎖療法とトラフェルミン(bFGF)を併用。肉芽形成させ,分層植皮術で閉創した。放射線皮膚潰瘍は長期の経過後に発症するため,患者は高齢者が多く侵襲の大きい手術が困難なことも多い。扁平上皮癌のリスクもあり,病理組織学的所見の確認も可能な人工真皮,bFGFや陰圧閉鎖療法などを組み合わせた低侵襲治療も選択枝のひとつと考える。
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