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特集 水疱症
淡明細胞型腎細胞癌の合併がみられた増殖性天疱瘡の1例
Pemphigus vegetans complicated by renal clear cell carcinoma
一村 隆造
1
,
大塚 勤
1
,
林 建二郎
2
,
梅林 芳弘
3
,
古賀 浩嗣
4
,
石井 文人
4
Ryuzo ICHIMURA
1
,
Tsutomu OHTSUKA
1
,
Kenjiro HAYASHI
2
,
Yoshihiro UMEBAYASHI
3
,
Hiroshi KOGA
4
,
Norito ISHII
4
1国際医療福祉大学病院,皮膚科(主任:大塚 勤教授)
2東京医科大学八王子医療センター,泌尿器科
3同,皮膚科,教授
4久留米大学医学部,皮膚科学教室
キーワード:
増殖性天疱瘡
,
淡明細胞型腎細胞癌
Keyword:
増殖性天疱瘡
,
淡明細胞型腎細胞癌
pp.1317-1321
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004097
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34歳,男性。当科初診2カ月前より,腋窩部,鼠径部,臀部に大豆大程度の紅色結節が多発し,悪臭や口腔内びらんも生じた。ミノサイクリンなどを投与されたが,症状が増悪してきたため当科を紹介受診した。抗デスモグレイン1,3抗体 陽性,抗デスモコリン1,2,3抗体がいずれも陽性,病理学的所見で表皮の著明な増殖,好酸球性膿疱,蛍光抗体直接法で表皮細胞間にIgGとC3の沈着を認め,増殖性天疱瘡と診断した。また造影CT検査で左腎に腫瘤を認め,腎部分切除術を施行,病理診断にて淡明細胞型腎細胞癌であった。増殖性天疱瘡と腫瘍の合併例は自験例以外に国内外で10例あるが,腎癌の合併例はこれまで報告がなく,自験例が初である。
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