症例
脊索腫皮膚転移の1例
佐藤(平野) 有規奈
1
,
岩下 宣彦
1
,
加藤 徳子
1
,
藤田 ゆかり
1
,
安田 宗義
2
,
高橋 恵美子
3
,
原 一夫
3
,
渡辺 大輔
1
1愛知医科大学,皮膚科学教室(主任:渡辺大輔教授)
2愛知医科大学病院,脳神経外科
3同,病院病理部
キーワード:
脊索腫
,
皮膚転移
Keyword:
脊索腫
,
皮膚転移
pp.1307-1310
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000128
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75歳,男性。3カ月前より,左側頭部の自覚症状のない結節に気づき当科を受診。初診時,左側頭部に小指頭大・暗紫色・表面平滑・可動性のない結節がみられた。皮膚生検では,皮下脂肪組織に空胞形成を示す好酸性の細胞質を有した索状・胞巣状の腫瘍細胞の増生がみられた。病理組織学的所見は脊索腫と類似しており,Brachyury蛋白も陽性だった。画像検査を行ったところ,頸部MRI T2強調画像で,斜台から歯突起・後咽頭間隙の正中に高信号の占拠性病変が認められた。脊椎の病変は,当院脳神経外科を受診し,脊索腫と診断された。脊索腫は皮膚科領域ではまれな転移性腫瘍であるが,免疫組織学的所見を含めた病理診断は原発腫瘍の発見や診断の助けとなると考えた。
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