症例
舌偏位を契機に診断された脊索腫の1幼児例
玉木 愛乃
1
,
宮奈 香
1
,
國方 歩
1,2
,
伊地 俊介
3
,
物部 寛子
4
,
裴 有安
5
,
横手 宏之
6
,
扇 和之
6
,
大石 芳久
1
1日本赤十字社医療センター小児科
2東京大学医学部附属病院小児科
3日本赤十字社医療センター脳神経外科
4同耳鼻咽喉科
5同病理部
6同放射線診断科
キーワード:
頭蓋底腫瘍
,
脊索腫
,
低分化型
,
舌咽・迷走神経麻痺
,
舌下神経麻痺
Keyword:
頭蓋底腫瘍
,
脊索腫
,
低分化型
,
舌咽・迷走神経麻痺
,
舌下神経麻痺
pp.68-73
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002453
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脊索腫は胎児期脊索に由来しトルコ鞍から尾骨まで人体の正中に発生するまれな骨破壊性腫瘍である.小児では頭蓋底発生が約7割を占め1),動眼・外転神経麻痺による複視,舌下神経麻痺などの神経症状が報告されている2)3).診断は画像検査と病理検査が主であり,免疫染色で脊索に特異的なたんぱく質ブラキウリが陽性となることが特徴である4).一般的な治療としては可及的な摘出,放射線や陽子線照射,化学療法を組み合わせて行われるが,完全切除は困難なことが多く,再発率が高いことが知られている5).今回,初診時に頸部痛,軟口蓋麻痺,舌偏位を認め,舌咽・迷走神経および舌下神経麻痺を疑ったことから頭蓋底発生脊索腫と診断された1例を経験したので報告する.
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