症例
長期の経過を観察したDesmoplastic Trichoepitheliomaの1例
田中 敬子
1
,
吉田 亜希
1
,
岸 晶子
1
,
林 伸和
1
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院,皮膚科(主任:林伸和部長)
キーワード:
desmoplastic trichoepithelioma
,
石灰化
,
免疫染色
,
長期経過
Keyword:
desmoplastic trichoepithelioma
,
石灰化
,
免疫染色
,
長期経過
pp.1303-1306
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000127
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76歳,女性。16年前,左鼻唇溝内側の皮疹に気づき,14年前に6×7mm 大の淡紅色結節に対し皮膚生検。その後,再度増大し,9年前の再生検でdesmoplastic trichoepitheliomaと診断。その後も増大し,10×7mm大で稗粒腫様の白色小丘疹を多数のせる淡紅色結節となったため,今回全切除した。病理組織学的には,いずれも真皮浅層から中層に異型性のない基底細胞様細胞からなる索状の腫瘍胞巣からなり,大小の角質囊腫,間質に膠原線維の増生を認めた。2016年の病理組織は,9年前と比較し真皮浅層に角質囊腫と石灰化が目立った。本症は良性疾患だが,長期の経過で再び増大するため,早期の全切除が望まれる。
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