臨床研究
当教室における過去6 年間の溶連菌による蜂窩織炎の臨床的特徴
下田 由莉江
1
,
早川 順
1
,
堀江 千穂
1
,
荒木 光二
2
,
塩原 哲夫
1
1杏林大学,皮膚科学教室(前主任:塩原哲夫教授,現主任:大山学教授)
2同,付属病院臨床検査部
キーワード:
Streptococcus pyogenes
,
A 群溶連菌
,
G群溶連菌
,
蜂窩織炎
Keyword:
Streptococcus pyogenes
,
A 群溶連菌
,
G群溶連菌
,
蜂窩織炎
pp.1127-1132
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000080
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近年,下肢蜂窩織炎の原因菌は,病変近傍の浸軟した趾間から細菌培養を行うことで同定できるとの報告が増加している。われわれは,そのようにして検出されたA 群,G 群溶連菌による下肢蜂窩織炎の臨床的特徴を明らかにするため,過去に経験した教室例56 例を菌別に比較検討した。A 群は,若年者に外傷を契機に発症する症例と,合併症を有する高齢者の症例があった。G 群は,合併症を有する高齢者が多く,糖尿病を有する高齢者に発症した場合には遅れて皮下膿瘍を形成する例がみられた。リンパ浮腫を合併する例は,5 回以上繰り返す例が多かった。このように,検出菌と患者背景から,ある程度臨床経過を予測することができると考えた。
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