Japanese
English
症例報告
リンパ浮腫患者にみられる血液培養でB群溶連菌が検出された蜂窩織炎の1例—当教室例のretrospectiveな解析を含めて
A case of group B Streptococcus-positive cellulitis associated with lymphedema:A case report and retrospective analysis of our institutional cases
下田 由莉江
1
,
堀江 千穂
1
,
早川 順
1
,
塩原 哲夫
1
Yurie SHIMODA
1
,
Chiho HORIE
1
,
Jun HAYAKAWA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
B群溶連菌
,
G群溶連菌
,
蜂窩織炎
,
リンパ浮腫
,
リンパ節郭清
Keyword:
B群溶連菌
,
G群溶連菌
,
蜂窩織炎
,
リンパ浮腫
,
リンパ節郭清
pp.715-719
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205186
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要約 75歳,女性.4年前に子宮体癌で子宮全摘と,リンパ節郭清術を施行され,1年後にリンパ浮腫を生じ,その2年後に左大腿蜂窩織炎と化膿性椎間板炎を発症した.B群溶連菌(group B Streptococcus:GBS)が血液と腟から検出されたが,蜂窩織炎自体は約1週間で軽快した.しかし,10か月後に同部に再発し当科に入院した.その際,腟からGBSが検出された.自験例を含む当教室例における,郭清後のリンパ浮腫患者に生じ,培養でGBSが検出された蜂窩織炎の特徴をまとめた.多くは急速な発熱とともに大腿部に発赤を生じ,それが遠心性に拡大し,血液と腟からGBSが検出される.治療により速やかに軽快するが再発を繰り返し,ASOの変動がない点が特徴と考えた.このような症例では,会陰部,陰部などに慢性の感染病巣が隠れている可能性があるため,必ず会陰部や臀部の診察も併せて行い,何らかの感染巣が潜んでいないかを見落とさないことが重要である.
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