症例報告
結膜扁平上皮癌に対する局所マイトマイシンC療法により特異な副作用を生じた1例
野牛 悠那
1
,
馬詰 和比古
1
,
朝蔭 正樹
1
,
後藤 浩
1
1東京医科大学医学部臨床医学系眼科学分野
キーワード:
眼瞼結膜扁平上皮癌
,
マイトマイシンC
,
線維素
,
結膜炎
Keyword:
眼瞼結膜扁平上皮癌
,
マイトマイシンC
,
線維素
,
結膜炎
pp.1409-1413
発行日 2025年12月5日
Published Date 2025/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004482
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症例は60歳,男性。1年前から右眼瞼結膜の充血を自覚していた。前医で結膜炎と診断され加療されたが,改善しなかったため結膜生検が施行されたところ,扁平上皮癌の診断となり,当科紹介となった。病変は右眼下眼瞼結膜の広範囲に及び,瞼縁には角化組織と思われる白色病変を伴っていた。腫瘍の一部は球結膜にも浸潤し,下眼瞼の結膜嚢が短縮していた。外科的治療に先立ち,まずは病巣の縮小化を目的に0.04% マイトマイシンC点眼による治療を開始した。アレルギー症状の予防目的に0.1%フルオロメトロン点眼も併用した。2クール終了時点で中等度の結膜充血がみられたが,点眼を継続した。しかし,3クール終了した際の診察時に,輪部に沿うようにして球結膜を覆うような白色組織の出現が確認された。同組織は点眼麻酔下に鑷子で容易に剥離,除去され,組織学的には多彩な炎症細胞を含む線維素が主体であった。予定どおり4クール目の点眼も行ったところ,再び結膜充血と線維素の析出がみられたが,マイトマイシンC点眼終了後には徐々に改善し,肉眼的には腫瘍組織も消失したため,外科的切除は行わずに経過観察中である。マイトマイシンC点眼による副作用は多彩であるが,眼表面に著しい線維素の析出を伴うことがあると考えられた。

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