特集 眼科外来診療 ―クリニックでの対応と紹介のタイミング―
Ⅳ 網膜硝子体 9 孔を伴う周辺部格子状変性の治療の見極め方
出田 隆一
1
1いでた平成眼科クリニック(熊本県)
キーワード:
網膜格子状変性
,
周辺部格子状変性
,
弁状裂孔
,
萎縮円孔
,
予防凝固
Keyword:
網膜格子状変性
,
周辺部格子状変性
,
弁状裂孔
,
萎縮円孔
,
予防凝固
pp.1283-1288
発行日 2024年11月14日
Published Date 2024/11/14
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003880
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網膜格子状変性の有病率はおよそ10%前後であり1),これは人種間問わずほぼ変わらない。一方で裂孔原性網膜剥離の原因の30~60%は網膜格子状変性である2)。また,裂孔原性網膜剥離の年間発症率は近年の国内の統計では,およそ6,000人に1人である3)。有病率を考えると無症候性の孔を伴わない網膜格子状変性のすべてを予防凝固するのは非現実的であると思われるが,円孔または裂孔を伴う場合は予防凝固の対象となることが多い。ただし,予防凝固の効果について有効なエビデンスは示されておらず,意見が分かれることもある。本稿では国内で一般的に採用されているであろう考え方について記す。言うまでもなく進行性の網膜剥離を伴う場合は予防凝固の対象外である。
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