特集 眼科外来診療 ―クリニックでの対応と紹介のタイミング―
Ⅲ 緑内障 5 原発閉塞隅角緑内障の診断と鑑別ならびに治療
酒井 寛
1
1浦添さかい眼科(沖縄県)
キーワード:
原発閉塞隅角病
,
続発閉塞隅角緑内障
,
画像診断
,
原発開放隅角緑内障
Keyword:
原発閉塞隅角病
,
続発閉塞隅角緑内障
,
画像診断
,
原発開放隅角緑内障
pp.1211-1215
発行日 2024年11月14日
Published Date 2024/11/14
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003867
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原発閉塞隅角緑内障(primary angle closure glaucoma:PACG)は原発開放隅角緑内障(primary open angle glaucoma:POAG)と比較してその有病率は低いものの,失明率が高い。続発緑内障との鑑別も困難なことがあり,病態の理解および診断は臨床において重要である。前駆病変である原発閉塞隅角症(primary angle closure:PAC)および原発閉塞隅角症疑い(primary angle closure suspect:PACS)を合わせて原発閉塞隅角病(primary angle closure disease:PACD)と呼称され,PACやPACSの治療方針も議論の分かれるところである。緑内障性視神経症(glaucomatous optic neuropathy:GON)を既に発症しているPACGでは,薬物治療の成績は不良であり,手術加療が原則である。周辺虹彩切除術,レーザー虹彩切開術(laser peripheral iridotomy:LPI)よりも超音波乳化吸引術(phacoemulsification and aspiration:PEA)による水晶体再建術が推奨される。診断には古典的であるが必須の隅角鏡検査に加え,超音波生体顕微鏡(ultrasound biomicroscopy:UBM)や前眼部光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)も欠かすことのできない検査になりつつある。検査機器を導入していない施設では基幹病院との連携が重要である。
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