特集 私の経験集 珍しい真菌の角結膜感染への対応
3 Talaromyces coalescensによる真菌性角膜炎
戸所 大輔
1
1群馬大学医学部眼科学教室
キーワード:
Talaromyces coalescens
,
真菌性角膜炎
,
Penicillium
,
Paecilomyces
,
DNAシークエンス
Keyword:
Talaromyces coalescens
,
真菌性角膜炎
,
Penicillium
,
Paecilomyces
,
DNAシークエンス
pp.1401-1405
発行日 2023年12月5日
Published Date 2023/12/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003434
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真菌性角膜炎多施設スタディにより,日本の真菌性角膜炎の原因は酵母様真菌ではCandida属,糸状菌ではFusarium属が最多であることが示された。しかし一方で一般眼科医が菌名を聞いたことがない珍しい真菌が分離同定される頻度も2割近くにのぼっている1)。真菌性角膜炎全国スタディでは医真菌の専門家の協力によって菌名が同定できたが,多くの施設では「同定不能の真菌」として治療せざるを得ないだろう。稀少真菌では,それによって生じる角膜炎についての情報が少なく,過去に報告がないことも多い。そのためどのような経過をたどるのか,どの抗真菌薬が有効なのかも予測しにくい。
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