Japanese
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連載 眼の組織・病理アトラス・122
真菌性角膜炎
Mycotic keratitis
猪俣 孟
1
Hajime Inomata
1
1九州大学医学部眼科学教室
pp.1878-1879
発行日 1996年12月15日
Published Date 1996/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410908047
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真菌性角膜炎mycotic keratitisは,外傷や既存の角膜疾患,その他全身の免疫力低下を基盤に発症する。副腎皮質ステロイド薬や抗菌薬が広く使用されるようになり,真菌性角膜炎が増加している。病原真菌は,カンジダCandida,アスペルギルスAspergillus,フサリウムFusariumおよびセファロスポリウムCephalosporiumである。
臨床像は,角膜の中央付近に白濁した円形の潰瘍を形成して徐々に拡大し,混濁は角膜全体に及ぶ(図1)。潰瘍の辺縁は羽毛状になり,主病変の周囲に数個の小さな衛星病巣satellite lesionsすなわち輪膿瘍ring abscessや免疫輪を形成する。潰瘍部の角膜後面にはフィブリン様の沈着物が付着し,前房蓄膿がみられる。
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