マルチモーダルイメージングによる眼科疾患の診断と病態解明
10.Danon病患者における網膜外層異常
長谷川 綾華
1
,
野田 航介
2
1時計台記念病院眼科(北海道)/北海道大学大学院医学研究院眼科学教室
2札幌そうせいイーストクリニック(北海道)/北海道大学大学院医学研究院眼科学教室
pp.1231-1235
発行日 2023年10月5日
Published Date 2023/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003359
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Danon病は1981年にDanonらが初めて報告したX連鎖性優性(顕性)遺伝形式のまれな疾患で1),lysosome-associated membrane protein-2(LAMP-2)遺伝子変異が病因とされている2)。LAMP-2はリソソーム膜に発現する蛋白であり,オートファジーと呼ばれる,細胞内の不要になった蛋白や細胞内小器官をリソソームが分解する機能に関与している。Danon病はミオパチー・心筋障害・精神遅滞を3主徴とし,一般的に女性は軽症,男性はペースメーカーや心臓移植を必要とするケースが多いとされる2)。さらに既報では,Danon病患者の60%に視覚に関する症状を認めたという報告3)や,水晶体変化,網膜症,網膜電図異常,視野欠損などを認めたという報告4)がある。本稿では,網膜変性を認めたDanon病の自験例について文献的考察を加えて論述する。
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