今月の表紙
進行性網膜外層壊死
水澤 剛
1
,
寺崎 浩子
2
1東京医科大学病院眼科
2名古屋大学
pp.1945
発行日 2008年12月15日
Published Date 2008/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102555
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症例は47歳,男性。2006年5月にヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症,水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)性髄膜炎,トキソプラズマ脳症,水痘の診断で,当院臨床検査科へ入院した。同年9月当科にて,HIV感染に伴う眼合併症の精査を行ったが異常所見は認めなかった。同年10月右眼の視野狭窄を自覚し,再度当科を受診した。受診時,矯正視力は右0.8,左1.2,眼圧は両眼ともに8mmHg,右眼前房炎症細胞(2+)を認め,左眼には異常はなかった。眼底は,右眼に広範囲な浸潤病巣および網膜出血を認め,左眼は耳側周辺部に2,3か所の白点状病巣を認めた。精査の結果,前房水よりVZV DNAが検出され,進行性網膜外層壊死(progressive outer retinal necrosis:PORN)と診断され現在加療中である。写真は,そのときの右眼である。
撮影は,興和社製の眼底カメラPro-3を用い画角50°で行った。画像加工にはAdobe社のPhotoshop Elements 2.0を用い,眼底像のみを抽出し,画像重複部分を不透明度20%の消しゴムツールで消し,28枚から形成した。色調を均一に撮影するのに非常に苦労した1症例である。
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