機器・薬剤紹介
68.アイラミド・グラアルファ
坂田 礼
1
1東京大学医学部附属病院眼科
pp.1237-1242
発行日 2023年10月5日
Published Date 2023/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003360
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低侵襲の治療・手術が選択しやすくなっているなかでも,緑内障診療で中心となる治療法は点眼薬による眼圧下降であり,現在はジェネリック医薬品を含めて多くの緑内障治療薬が使用できる状況である。点眼治療の原則は必要最小限の薬剤(点眼本数)と副作用で,最大の眼圧下降効果を得ることである,とされる1)。点眼治療においては単剤管理しているケースは少なく,多剤併用で治療を進めていることが多いが,点眼本数が増えるとアドヒアランスの低下や副作用の増加が問題となる。日本では2010年から配合点眼薬の使用が可能となり,1本で2本併用とほぼ同等の眼圧管理が行えるようになったが,いずれの配合点眼薬も非選択性のβ遮断薬を含有しているため,全身状態によっては使用できないことが問題であった。そのようななか,2020年よりβ遮断薬を含まない配合点眼薬が上市され,呼吸器系や循環器系に持病を抱える患者への投与,またフルメディケーションにおける点眼薬の組み合わせにおいて大いに役に立っている。この項では,アイラミド(ブリモニジン・ブリンゾラミド配合点眼薬)とグラアルファ(リパスジル・ブリモニジン配合点眼薬)について紹介する。
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